NUBA / Press "Les Saisons De La DANSE"誌 2000年12月号 特集

豊穣の日本 "舞踏第三世代の象徴/有科 珠々 " written by Laure Donezan

豊穣の日本(今日の日本現代舞踊状況)

舞踏第三世代の象徴 有科 珠々(Juju Alishina)

 小柄で毅然とした女性、有科珠々は舞踏第三世代で最も注目される代表的な舞踏家の一人である。彼女は日本舞踊を礎とし、1982年以来舞踏を修練している。古典と前衛の融合と、舞踏の新しいスタイル(ポスト舞踏)の確立を目標として、十年前(1990年)自身のカンパニー(NUBA)を結成した。

 彼女の作品全体は東洋性の追求に基づいているが、その姿勢は完全に開かれており、強く国際性を帯びている。フランス人と結婚し、世界を旅する。彼女は日本で生まれ育ったが、ヨーロッパやアメリカでも公演活動をしている。フェスティバル<EXTREME ORIENT>で発表された最新作〔LA MAIN GAUCHEー笑いながら握られた拳〕は、イスラエル滞在時の創作のリメイクである。

 このソロ作品の中では、いたいけな処女から堕ちた女帝まで、女性的なもののあらゆる相が呈示される。女性らしさやフェミニズムを土台としながら、社会から押し付けられた暴力、つまりアイデンティテイの喪失、サディズム、強姦… 等に自らの個性を対決させる。時に見え隠れする手や顔の表現の豊かさを探究することで、社会的な面と、我々のアイデンティテイを構成する個人的な面のコントラストのあるダンスを披露する。

 有科珠々は、この隠喩に満ちたを引き継ぎながら、2000年12月4日から6日まで日本大使館で〔LA MAIN SOURIT(微笑手)〕を公演する。

 

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